助手席の人


八年ほど前に、私の友人が体験した話です。

その友人は、霊だとかオカルトだとかの類を全く信じてない人でした。
その年の夏、何かの雑誌でたまたま私たちの地元のトンネルが
心霊スポットとして掲載されたのですが、彼は盛り上がる友人たちを馬鹿馬鹿しい、
そんな事あるはずない、いつも通ってるけど何もないと笑っていました。

確かに彼の言い分ももっともで、そのいわくつきのトンネルは、
山にあった火葬場を潰して作られたのですが、そんな空気は微塵もなく、
きれいに舗装された交通量の多いものだったのです。

そんなある日、彼は車で買い物をした帰りにそこを通りがかったのですが、
渋滞に巻き込まれ、そのトンネルの中で立往生してしまったそうです。
暑い盛りでしたから、窓は全開。
しかし、トンネル内の籠もった空気に耐え切れず、窓を閉めようとしました。
なのに何故か、助手席側の窓だけが20センチくらい開いたまま、
どうしても閉まらない。
故障かな、と思っていたら後ろの車にクラクション、
そしてハイビームを続け様に食らい、
さらに後ろの車の運転席の人が、血相を変えて彼の元へ来て一言。


「ちょっと!あなた、助手席の人の首、窓に挟んでますよ!」


…もちろん彼は、助手席に誰も乗せてなどいませんでした……。

最近になって、ようやく話してくれた友人の体験談です
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2017-06-04 22:13 : 怖い話・都市伝説 : コメント : 0 :
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