虐待

「お姉ちゃん、お母さんが怖いよ」
「大丈夫、私が守ってあげる」
私はそう言ってアザだらけの妹を抱きしめた。
私たち姉妹は母に虐待を受けていた。
父が死んで以来、母は精神的に病んでしまい、自分が誰なのかすら理解できていないようだった。
そんなある日、学校から帰ると廊下に何かを引きずったような赤黒い跡。と、ほんの一瞬、何かが視界の隅をよぎる。赤い液体の滴る袋を引きずりながら、廊下の角を曲がっていく女。あの青い花柄のワンピースは…母だ。間違いない。袋の中身は…いやそんなはずはない。赤黒い跡を追い掛けてみるとタンスの前で途切れていた。母の姿は見えない。意を決してタンスを開くとそこには袋があった。…恐る恐る袋を開けて愕然とした。袋には夥しい数のぬいぐるみが詰まっているだけだった。
「そうなんです。私には妹なんていなかったんだ。そうなんですね?先生」「はい、そうです。だが、あなたはまだ気づいていないことがある」
私は混乱し、うつむいて青い花柄のワンピースのすそをぎゅっと握った。
【解説】自分自身が「母」だった
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2017-03-06 12:22 : 怖い話・都市伝説 : コメント : 0 :
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