這い上がってきた男


奈良県の大峰山地は近畿の屋根って呼ばれてる。それはそれは山奥の天川村と上北山村の境に行者還トンネルってのがある。一応国道の309号線だけど車がすれ違い出来ない幅員の場所も多く酷道とか言われてる。
有名じゃないけど一部ではここより怖いトンネルは無いんじゃない?と超1級心霊スポットと呼ぶ人もいる。まあトンネル自体ではなく、上北山村の169号線から309号線に分岐する辺りからトンネルにかけての話だけど…
このトンネルってか309号線は天川村側のトンネル出口から169号線の近くまで冬季通行止め。以前は冬季通行止めじゃなかった。凍結してスリップして崖から落ちた車が多数。
地元の人も避ける道。でも169号線がよく大きな落石で通行止めになって迂回路が309号線しかなく夜でも通らざるを得ないことも多い。
169号線から309号線に入ってしばらくすると崖の上をクネクネ縫うような登り道になる。昼間は絶景だが夜は真っ暗闇で車のライトしか明かりはない。
ビクビクしながら走ってると遠くだが山を下ってくる車のライトがチラッチラッと見える。一本道だからしばらくするとすれ違うはずだが一向に対向車は来ない。
あれっ?おっかしいなあ…
と思いながら走っていく。そして急なカーブを曲がって目に飛び込んできたのは…
崖から血を流した男性が路肩に這い上がってきた。目が合ってしまった瞬間…
うわ!
男性の腕をひいてしまった。車を止めて男性がいた場所に駆け寄る。
男性がいない。
ひき逃げする気はないが山奥過ぎて携帯は圏外。交通量も夜間はゼロに等しい。急いで里まで降りて警察に電話。警察官と一緒にまた現場に戻る。しかし、あれだけ血を流していたにも関わらず血痕がない。
「ホンマにここ?」まるで狂言扱い。
しかし数日後、警察から連絡があった。
「車が転落してました。ただ…死亡推定時期が半年ほど前なんです。ただ気になるのが…腕の骨が折れてるんですが…亡くなってから折れたようなんですよ。警察がこんなこと言うのおかしいですが見つけて欲しくて崖をよじ登ってきたのかも…」
生きた人間を轢いたんじゃなかったらしい…
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2017-03-08 08:01 : 怖い話・都市伝説 : コメント : 0 :
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