31 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:33:55 ID:6fsAVy8z0
眠れないのでもう1つだけ。長文をご了承ください。

僕の元バイト場の先輩、綿野さん。
日系ブラジル人2世、陽気、バカ、イカレテいる、サンバ好き、サッカー大好き。
そんなキチ○イの話です。

仕事が終わり帰ろうとすると、

「今から肝試し行かねー?」綿野さんが言う。
「今からっすか?しかも男2人でっすか?」
「んなわけないでしょアータ!理沙ちゃんとサエちゃんとですよー。」
この時期綿野さんは美川憲一風にしゃべるのにハマッていた。そして理沙ちゃんとサエちゃんはお店の常連さん{仮名です。}

「おーマジっすか!でもマスターにバレたらャバいっすよー。。。行きましょう。」

「そーやなー。バレたらあれやし。。行くんかい!」

そんな他愛もない会話をしつつ集合場所へ向かった。
上京した僕は車を持っておらず、綿野さんも貯金のできない人だったので車を持っていない。
情けなくも女の子の運転に後部座席に座る男2人。

「○○君(僕)一人暮らしだったよねー。いいなぁー。」
「いやいや、都会生まれ都会育ちの2人のが羨ましいよ。僕根が田舎物だからねー。」
「綿野さんは一人暮らし?」
「いや違うよ。家族で住んでる。」
「へぇー意外。」
理沙ちゃんとサエちゃんが口をそろえて言う。
「だいたいなんで一人暮らしがいいの?家族で住めるんだからそれが1番いいに決まってる。」
「えーでもだってたまにウザくなる時もあるじゃん?」
「ない!これだから日本人は離婚や親を殺したりなんて。。。」

バリバリのカトリックで家族思いの綿野さんの説教を聞き流して目的地に到着。

32 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:37:42 ID:6fsAVy8z0

今日の肝試しスポットは日本兵士の碑、お墓が密集している公園だ。
やはりゾクゾクする。

何が僕を1番ゾクゾクするかと言うと、綿野さんだ。
出会って2ヶ月。多少はこの人を理解できたつもりだが、あくまで’つもり’だ。

何か期待させる。そんな物はこの人にない。
何かゾクゾクさせる。そんな物がこの人にあった。

最初の計画は男女ペアになって1組ずつ行き、大きな慰霊碑の写メを撮る。

その予定だったが。。。

「予定変更!やっぱり皆で行こうぜー!」
理由は大勢で行った方が面白いから。綿野さんの提案にあっさり予定は変わった。

僕が理沙ちゃんと組みたい事を知っての発言とは思えなかった。
殴りたい。

車を降り、階段を上っている最中
「ウォーン」犬の遠吠えがする。
「ウォーン」「ウォーン」「ウォォーン」

数回同じ出来事、時間帯が恐怖を増す時間、この2つが重なると女はコジツケの如く、言う。(偏見すみません)

「なんかャバくない?」「もうやめよーよ。」

まだ目的地にすら着いてないのに’もう’はおかしい。そんな事を綿野さんが小声で呟いた。

しかし、前提に’常連さん’である女の子に無理強いもできず考えていると即座に綿野さん。

33 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:40:39 ID:6fsAVy8z0

「じゃあ車でちょっと待っててよ。俺達がちょっと見てきて大丈夫っぽかったら皆で行けばいい。俺達が確認してくるよ。」

「んー。わかったー。」恐る恐る車へ戻る女の子達と階段で見守る僕と綿野さん。

車に乗ったのを確認し階段をまた上る。

「しかし女はバカだよなー。」綿野さんが言う。

「まぁー女の子はあのぐらい怖がりが可愛いじゃないですか」

「ん?なに言ってんの?」
「え?怖がりの話でしょ?」

「全然違う。安易だって話だ。」
「え?」
「お前本気でわからないの?バカだねー。
俺がさっき言ったじゃん?大丈夫ぽかったら皆で行けばいい。って」
「はい。」


「もし大丈夫っぽくなかったらどーすんのかね?俺らの身に何かあってもあっこで待つのかね?」
「女は安直すぎる。希望してる一つのパターンを置くとそれに安心をのせるでしょ?そんでありもしない確信。ダハハ。マジでバカ。アハハハハハ。」

なるほど!っと素直に関心した。しかし安全な国’日本’で生まれた僕たちにそこまで考えろと言う方がバカげているとも思った。反面、’ブラジル’の貧困層で育った綿野さんは考えなきゃ生きていけなかったのかなーとも感じた。
しかし僕もありもしない確信を1つしてしまった。
今日は必ずなにか起きる。何故だかあの時は本当にわかった。


34 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:44:05 ID:6fsAVy8z0

大きな碑の前に着いた。沢山のの名前が刻まれている。

「うぉーすげーなぁ。」「やっぱ墓はすげーなぁー」

何がそんなに嬉しいのかウキウキしている。10分ぐらい綿野さんはワーワー騒いでいた。

注意しようとして、

「あんまり騒がな「「しっ!」

僕の注意は綿野さんの真剣な声とギラギラして瞳孔の開いた瞳に遮られた。

これだ。この目がだめだ。僕は綿野さんのこの目を見るとだめだ。

蛇に睨まれた蛙の様に萎んでしまう。

反面、綿野さんはニヤニヤしている。大きな目をギョロギョロさせニヤニヤしている。

「きたきたーハハハ。」

この人は本気で病気だ。

何がそんなに嬉しいのだろう?何がそんなに可笑しいのだろう?

階段を上る足音がそんなに嬉しいのだろうか?
多くの足音が階段を上る音がそんなに可笑しいだろうか?


35 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:46:35 ID:6fsAVy8z0

心臓が痛い。
ャバイヤバイャバイヤバイャバイャバイ。

本当に怖い。恐い恐い怖い

綿野さんはウキウキしている。
「やばいですよ。」僕が固唾を詰まらせつつ発する。

足音が近付く。 ダンダンダンダン!
「綿野さんやばいです。」 ダンダンダンダン!

「本当にャバイですよ。」 ダンダンダンダン!

もーすぐ近くに聞こえる。
ャバイ!
ャバイ!
ャバイ!
ャバイ!


ダーン!

「かかってこいやぁー!ハハハハハァー

負け犬共がコラァ!」


37 本当にあった怖い名無し 2010/08/11(水) 07:51:36 ID:6fsAVy8z0

シーン

足音が消えた。
僕は状況がのみこめず思考停止。

「よかったー。」ようやく落ち着いた僕。
「よかったですねー綿野さん」
ふと綿野さんがいた方へ視線を移す。

僕はまた恐怖した。
顔の約5センチの距離。つまり顔の目の前。
綿野さんがいる。

「これがよかった顔と思うか?」
そう聞く綿野さんはニヤーっとしたまま、ブラウンの瞳はギラギラしたままだった。

「すいません。」
それだけ言うと
「帰るよーん」と言った。

碑をみるとキレイな靴跡がついていた。
さっきの大きな音はこれか!と妙に穏やかに納得したのと、何て罰当たりなんだと呆れた。

その日は女の子達にテキトウに言い訳をして帰路に着いた。
道中、墓や碑を蹴ったりしたらいけないと散々怒った。

僕の感覚が麻痺してましたが、文章にすると改めてキチ〇イだと思った。
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2017-11-01 18:07 : 怖い話・都市伝説 : コメント : 0 :
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